「なんか読みにくい…」を解決!文字のデザイン "タイポグラフィ" 基本のキ
前回の「レイアウト4原則」の記事はご覧いただけましたか? まだご覧になっていない方はぜひご覧ください!
「なんか見づらい…」は卒業!デザインの基本"レイアウト4原則"で劇的に伝わる資料を作る方法
「なんか見づらい…」は卒業!デザインの基本"レイアウト4原則"で劇的に伝わる資料を作る方法 「時間をかけて作った資料なのに、なんだか情報が伝わらない…」「チラシを作ってみたけど、どこか素人っぽい…」 そんな風に感じたこと […]
レイアウトと同じくらい、いや、もしかしたらそれ以上に、デザインの印象や伝わり方を大きく左右するのが「文字」のデザイン、
すなわち「タイポグラフィ」です。
「え、文字ってただ打つだけじゃないの?」
「フォントなんて、どれも同じようなものでしょ?」
そう思っているなら、もったいない!
実は、どのフォントを選ぶか、そしてその文字をどう配置(文字組み)するかで、デザインの雰囲気、読みやすさ、そして情報の伝わり方が劇的に変わるんです。
今回は、デザインの質をグッと引き上げる「タイポグラフィ」の基本、特に「フォント選び」と「文字組み」の重要なルールについて、分かりやすく解説していきます。
これをマスターすれば、あなたの作る資料やデザインが、もっと洗練され、もっと「伝わる」ものになりますよ!
タイポグラフィって、なんでそんなに重要なの?
デザインにおいて、文字は情報を伝えるための最も基本的な要素です。そして、その文字の「見た目」や「並び方」は、無意識のうちに読み手の感情や理解度に影響を与えています。
例えば、同じ「ありがとう」という言葉でも、
「ありがとう」力強いゴシック体で書けば、頼もしさや誠実さが伝わるかもしれません。
「ありがとう」優雅な明朝体で書けば、丁寧さや感謝の深さが伝わるかもしれません。
「ありがとう」手書き風フォントなら、親しみやすさや温かみが伝わるでしょう。
このように、フォントの持つ「個性」や、文字の並び方(文字組み)が、情報の「中身」だけでなく、その「ニュアンス」や「雰囲気」までをも左右するのです。
適切なタイポグラフィは、情報を正確に伝えるだけでなく、ブランドイメージを演出し、読み手のエンゲージメントを高める力を持っています。
ステップ1:フォント選び - デザインの「声」を決める
まずは、デザインの印象を大きく左右する「フォント選び」の基本から見ていきましょう。
1. フォントの種類と与える印象を知ろう!
世の中には無数のフォントがありますが、まずは大きく分けて以下の種類と特徴を覚えておくと便利です。
- 明朝体 (セリフ体):
- 特徴: 文字の横線が細く、縦線が太い。「はね」や「はらい」、「うろこ(セリフ)」と呼ばれる飾りがある。
- 印象: 伝統的、真面目、上品、知的、繊細、大人っぽい。
- 用途: 長文(本文)、書籍、新聞、高級感を出したいデザインなど。
- ゴシック体 (サンセリフ体):
- 特徴: 線の太さがほぼ均一。「うろこ」がない、シンプルな形状。
- 印象: モダン、力強い、カジュアル、親しみやすい、読みやすい(特に遠目や小さい文字)。
- 用途: 見出し、Webサイト、プレゼン資料、広告、案内表示など。
- その他のフォント:
- 筆書体・手書き風フォント: 温かみ、親近感、和風、個性。
- デザイン書体: 特定のイメージ(未来的、レトロなど)を強く演出。
2. フォント選びの3つのポイント
- ① 目的とターゲットに合わせる: 誰に、何を伝えたいのか? コーポレートサイトなら信頼感のあるフォント、子供向けイベントなら楽しいフォント、といった具合に選びます。
- ② ブランドイメージとの一貫性: 企業やサービスの持つイメージ(先進的、伝統的、親しみやすいなど)に合ったフォントを選びましょう。
- ③ 可読性・判読性を重視する: いくらオシャレでも、読みにくくては意味がありません。特に本文など、しっかり読ませたい部分では、読みやすさ(可読性)や文字の見分けやすさ(判読性)を最優先に考えましょう。
3. 使うフォントは絞り込む!
デザインに使うフォントの種類は、多くても2〜3種類程度に絞るのがおすすめです。たくさんのフォントを使いすぎると、全体が散らかって見え、まとまりのない印象になってしまいます。基本は「見出し用フォント」と「本文用フォント」の組み合わせから考えてみましょう。
【Point】
フォントはデザインの「声」のようなもの。Gekkodesignでは、クライアントのブランドパーソナリティや伝えたいメッセージのトーンに合わせて、最適なフォントを選定することを非常に重要視しています。
ステップ2:文字組み - 文字を美しく、読みやすく配置する技術
良いフォントを選んでも、それを適切に配置(文字組み)しなければ、その魅力は半減してしまいます。読みやすく、美しい文字組みのための基本ルールを見ていきましょう。
1. 文字サイズでメリハリを! (ジャンプ率)
見出しと本文など、役割の違うテキストのサイズに差をつけることで、情報の重要度が明確になり、視覚的なリズムが生まれます。このサイズの比率を「ジャンプ率」と呼びます。
ジャンプ率が大きいほど、ダイナミックでインパクトのある印象になります。
2. 行間(行送り)で読みやすさをコントロール
文字がぎっしり詰まっていると、息苦しく読みにくいですよね? 行と行の間のスペース(行間、または行送り)を適切に設定することで、文章の読みやすさが格段に向上します。
一般的に、文字サイズの1.5〜2倍程度の行送りにすると読みやすいと言われています。
3. 字間(カーニング・トラッキング)で美しさを追求
文字と文字の間のスペース(字間)も重要です。
特に見出しなど大きな文字では、文字の組み合わせによって不自然に空いて見える部分を個別に調整する「カーニング」を行うと、見た目の美しさが向上します。
また、文章全体の字間を一律に調整する「トラッキング」も、読みやすさやデザインの雰囲気を調整するのに役立ちます。
4. 揃え(アラインメント)を意識する
前回のレイアウト原則でも触れましたが、文字組みにおいても「揃え」は重要です。基本は「左揃え」が読みやすいとされています。
中央揃えや右揃えは、デザイン上の意図がある場合に効果的に使いましょう。
【Point】
「神は細部に宿る」と言いますが、タイポグラフィはまさにその言葉が当てはまります。Gekkodesignでは、ミリ単位での文字間や行間の調整にこだわり、最高の読みやすさと美しさを追求しています。この細部へのこだわりが、プロフェッショナルなデザインを生み出すのです。
まとめ:文字を意識すれば、デザインはもっと良くなる!
今回は、タイポグラフィの基本である「フォント選び」と「文字組み」のルールについてご紹介しました。
- フォント選び: 目的・ターゲット・ブランドイメージ・可読性を意識し、種類は絞る!
- 文字組み: 文字サイズ・行間・字間・揃えを調整し、美しさと読みやすさを両立させる!
たかが文字、されど文字。タイポグラフィを少し意識するだけで、あなたの作るデザインは驚くほど変わります。ぜひ、今日から試してみてください。
そして、「もっと深く知りたい!」「自社のブランドに最適なタイポグラフィを提案してほしい!」という方は、ぜひGekkodesignにご相談ください。
文字のデザインから、あなたのビジネスの価値向上をお手伝いします。